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昨春、定年を迎えた方のお話です。周辺マンションに住むA氏は定年を機に故郷の古家を建て直して移住する計画をたてました。しかしこの一年余りコロナの影響で建築計画がなかなか進みません。
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田舎に行きたいけど東京からではご近所に気が引けるようで足踏みでした。最初から自宅を売ってその資金に当てる算段でしたので、節目節目でのご相談に担当が伺っておりました。 |
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いよいよという段階になって直近の取引事例をもとに相場価格を提示したところ「家族にも話したいので少し待って」という返事でした。それから一週間、ある不動産サイトにその家らしき情報が驚く高値で登場してきました。 |
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担当者が慌ててご本人に問い合わせたところ、「価格の高いところに出した。悪いね。」と一言。今まで、いろいろ相談にのって来たのにと肩を落としました。 |
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私は教訓まじりに「定年。それは明日から給料が入ってこない。こんなさみしいことはないと思う」と。何年か経てば年金生活にも慣れますが、直後はさみしい限りです。途端にお金に敏感になるのも頷けます。 |
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うそでも高く言う業者に頼むのも無理からぬところです。とにかく最初は相場の1.15倍で何がなんでも受託するという方針の会社もあると聞きます。 |
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しかし買手側は売手側の数倍情報量をお持ちでよく調べているのです。後になってあの時もう少し高く売ったら、あの時もう少し安く買ったらと思うくらいが良いのかも知れません。 |
(株)すまいる情報光が丘
代表取締役社長 武藤 正子 |